かつて働いていたスーパーでの話。
そのお店は21時で営業時間が終了。
その後は、入り口の自動ドアの電源を切るので、開けることはできません。
なので、お客さんが入店することはできません。
閉店後の店内は、薄暗い程度の明かりが照らされています。
私は社員なので、今日の売上金を金庫に入金するため、4台あるレジを順次清算します。
清算が終わり、売上金を袋に入れて、事務所へ向かいました。
バイトやパートの人たちは、各々挨拶を済ませ、帰っていきました。
私は金庫へ入金作業中。
店のパソコンで、本日の売り上げを確認していました。
その時…
なんとなく人の気配がしたので振り返ると、大柄の中年男性が事務所の入り口に立ちふさがっていました。
見たこともない人なので、店員ではありません。
しかもお客さんは店に入れないはずです。
突然のことに驚き、声が出ません。
呆然としていると、その彼が一言。
「忘れ物があったと思うんやけど…」
たんに、忘れ物を取りに来ただけでした。
どうやって店内に入ったのか聞くと、店の裏側にある、店員用の通用口が開いてたのでそこから来たとのこと。
忘れ物を渡すと、そのまま帰られました。
ああ、本当に怖かった。