ある日の中年

大阪府在住の中年男性の公開記録です。飲食、音楽、書籍と繁華街、ファストファッションあたり書きます。

1度だけの魔法

以前は休日になると繁華街に出かけていましたが、最近は地元で過ごしています。

 

まずは近所の喫茶店へ移動。

 

1人なのでカウンターもしくは2人用のテーブル席を確保して、しばらくゆっくりしています。

 

今日はタリーズ

 

ホットコーヒー、ショートサイズで360円。

 

スマホのアプリでラジオを聴いたり、日記やノートに書き物したり、本を読んだりしています。

 

お目当てのラジオ番組が終わり、店が混みだす前に退店します。

 

帰宅して、本棚を整理していました。

 

昔は本棚に本が溢れそうなくらい所持していましたが、何度か近所のブックオフに売ったので蔵書の数はかなり減りました。

 

在庫はあと200冊くらいか。

 

少しずつでも減らしたいのですが、それでも中には手放せないものがあり、なかなか断捨離は苦戦しています。

 

本棚の整理中、先ほどちょっと目についた本がありました。

 

中島義道「カイン 自分の弱さに悩むきみへ」(新潮文庫)。

 

解説は山田詠美さん。

 

生きづらさを感じていた作者の、これまでの処世術を通しての読者へのメッセージ。

 

誠実でいたい人、人にやさしくしている人、嘘をつけない人、素直な人、周りに気を使い過ぎる人、そういった人たちが苦しんでいるのを作者は見過ごせないのでしょう。

 

彼からのアドバイスは、している事が一般常識からは逸脱していようが、まずなにより、あなたが生きなければならない、と伝えている。

 

もう10年ぐらい前に私はこの本を購入し、最初に通読したとき、非常に感動したのを覚えています。

 

どうしようもない、何もない私にとって、すこし気持ちが楽になったというか、心が軽くなった気がしました。

 

なのでこの本は売ることなく、ずっと本棚に保管しています。

 

今後も何度も読む本だと思いました。

 

ところが何年か前、再読したところ、もうその当時の感動を味わうことはできませんでした。

 

ちょっと作品を距離を置いて読めてしまいました。

 

シンクロ率が下がったというか。

 

これはいいのか悪いのか。

 

いや、そういうものではないでしょうね。

 

たまたま自分自身の問題について1人で苦しんでいる時に出会えた本。

 

まさにあの時の私、そのタイミングだったから感動したのでしょう。

 

どんな出会いでもタイミングが合わないと。

 

まだ本は手元に置いています。

 

またしばらくして読んだ時、私がどう思うか、かすかな楽しみとして。